たかが卒論、されど卒論、たかが修論、されど修論

 研究者という立場の人や、ポスドクの人からみれば、卒論や修士論文なんて、遊びだよ・・素人のたわごとだよ・・などという言葉がでてきます。


この真意は、博士論文、博士の学位には、私たち理系の場合は概ね、審査のある国際学術雑誌への受理が条件になっていることに対して、学内で審査がすむ卒論や修士論文なんて・・と、いうことでしょう。


ある意味、それは正しいです。

だからといって、研究のプロである私たちが卒論相当のものを1,2日で書けるかというと、それは絶対無理です。投稿論文にならないような、ネガティブデータのオンパレードであっても、その実験意義を正しい適切な日本語で表現し、実験方法を学術的に文字にし、結果を考察し、期待したものと違った場合は、その理由を考え、それぞれに参考文献を引用し、略語はフルスペルを一覧にし・・・図はきちんとlegendsをつけ・・・思っただけでも、絶対にしたくない作業です。特に日本語で論文を書く機会がほとんどないので、日本語で論文書くのは学生以上に苦痛です。

これを乗り越えることが出来たら、卒論生なら、ひとまわり成長できるでしょう。物事をまとめることは、重要です。修士も、がっつり研究に取り組んで、学会発表2,3回して、めちゃめちゃ赤をいれられながらでも論文投稿2報している・・・・と、いう人(私の周囲では、そんな人は1割くらい?)以外は、やはり、大きなイベントとして、自分が成長する機会でしょう。


だからこそ、ドクターの先輩の『そんなもん、適当でいいんだよ』などという言葉に惑わされず、本気で取り組むべきと思います。


しかし・・・・毎年おこる悲劇。
先生も、後輩も同級生も、どうしていいやら・・となります。
この時期に気分が沈む人、修論がどうやっても書けない人、うつ様症状になってしまう人・・・
先生があっさりしていて、早い時期に代筆してくれればいいのだけど、追い込まれ感が120%となって、病院に行かざるえなくなる人・・


今、そんな感じになっている人に、私から、メッセージを・・
私も今までに、そんな学生を何人もみてきました。
自分が若いときは、そんな人は卒業させないで留年させればいいのに・・と、思っていましたが、その時の教授の先生方は、最終的には卒業させていました(卒論や修論は、教員が代筆して)。
そして、そして、そんな人も、みんな社会人として、10年以上立派にやっています。

だから、いまの時期、がんばらねばなりません。
しかし、どうしようもなくなったら、そんなに思い詰めることはないのです。研究の文章をまとめる能力が低かった、修士で鍛えられなかっただけなのですから、自分のすべてを否定はしないでいいのです。



富山に来るまでは、こんな景色はスキー場だけのものと、思っていましたが、今は日常です。
でも、他県の方が心配するほど、暮らしが大変なわけでないので・・ご安心ください。

コメント
日記を読んで、少し気が楽になりました。
今まさに、切羽詰まった状況なのに、こんなことしていてすみません。
できる限りやってみます。
  • けん
  • 2012/01/14 12:59 PM
指導してくださっている先生も、添削に明け暮れ、気がたっているので、いつも以上に、礼儀正しく、そして一生懸命に、一度直されたところは、2度直されない・・・それだけでも、将来の役にたつので、がんばってみてください。応援しています。
コメントへの返信ありがとうございます。
教授へは、心配ばかりお掛けしていて本当に申し訳ないです。今できる限りを頑張り、報いたいと思っています。それでも涙が止まらない日もあり、正直つらいです。

管理人さんの言葉を胸に頑張ります。重ね重ねになりますが、このような日記を書いてくださり、またコメントへの返信をお忙しい中して頂き、本当にありがとうございました。
  • けん
  • 2012/01/14 6:40 PM
はじめまして。日記大変参考になりました。

私は博士課程への進学予定の修士2年で、修論も追い込みなのですが、取り組んだものの内容はとても投稿論文にはならなそうで、とても気持ちが落ち込んでいる状態です。

今の状態をどう捉えたらいいのか自分でもわからないのですが、考えすぎないようにはしたいと思います。
  • corne
  • 2012/01/15 2:54 PM
corneさん

もう、要旨締め切りが終わって、最初の一歩は終わったでしょうか。
博士課程への進学希望だと、先生も絶対に投稿論文を作らねばならないからと、一生懸命になってくださっていたと思います。しかし、『投稿論文にはならない』と、いわれてしまうと、辛いですよね。胸の中で、『だって、先生が与えたテーマをやったんだもん』と、思う(決して、口に出してはいけません)と、気楽ですし、修士論文で、文章のまとめ方や特有の書き方を学ぶことに対して一生懸命になることにしたらいいと、思いますよ。しかし、博士は、論文受理が必須なので、この調子だと、きっと、胃がきりきりしてしまいますから、3月末か4月最初で指導教員の機嫌が良いときに、『私は、追い詰められると駄目になるタイプなので、投稿論文は、早めに書きたいです。力の限りがんばりますから、何でもおっしゃってください』『修士論文作成のときに、論文投稿は無理といわれてショックだったのですが、今後もこのテーマで進めてよいでしょうか』と、聞いてみたほうがいいです。それで、納得できないようなら、ちょっと、立ち止まってみたらどうでしょう。だって、同級生たちが、給料もらって生計をたててる時に、授業料払って、自分は大学に残るのです。十分引き換えにできると自分が思えなければ、研究が辛くなると思います。
通りすがりの者です。
ネットをみていたらこちらの記事を拝読させてもらいました。

アラサーの学生です。10年、挫折や失敗を繰り返してつまずいてしまい自信もやる気が無くなり、私の学生生活はダメ学生の典型的なモデルだったと思います。
まわりの教授にその他先生や家族にも迷惑かけてきました。
入学してから、大学を卒業もできないから辞めたいと思っていました。学校の勉強や研究もできないやわからないでずっと続いてきました。
しかし、記事を読ませていただいて最後までベストを尽くしていこうと奮起することができました。

ありがとうございました。
結果はどうであれ最後の学生生活を頑張って悔いが残らないように過ごしていきたいと思います。

  • バンブー
  • 2015/02/01 10:21 PM
修士の最終締め切り4日前です。教授に負担をおかけしているようで、申し訳ないと、ずっと思ってきました。指導する側からの観点を教えていただけて、いろんな疑問が解けたような気がしました。たくさんの人がこれを見たなら、いいのにと思いました。書いても書いてもこれでいいのか、と思ってしまうし、添削で真っ赤で帰ってくるので、ありがたい思いと私の文章はそんなにだめだったのかという思いとありましたが。これを見て、力がぬけて、少し前向きになれました。やるだけやろう、と思えました。
気持ちを楽にしてくださってありがとうございます。
  • とうゆうのママ
  • 2016/11/18 7:28 PM
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