「1日10時間くらい集中して、がんばって、それで出来ないことは、能力をこえているということだから、あきらめなさい」
と、いわれたことがあります。徹夜して、休日もやれば、何でもできる・・と、肩に力がはいっていた、まだ若く、研究者として経験が浅い私を見かねてだと思います。
「日本人は、夜遅くまでいるけど、昼ご飯の時間やお茶や休憩の時間が長いし、実験も時間管理せずに、要領悪く、無駄に時間をかけている」
と、外国から来た研究者にいわれたこともあります。
両者は異なることをいっているようですが、根本は同じと思っています。
さらに、
「おしゃべりもせず、お昼ご飯も買いに行ったり、食べに行く時間がもったいないから、持参で、デスクでおにぎりを5分で食べ、夜、子供が寝てから論文書いたり、研究費の申請書も書いて、論文もあるし、外部資金もとれているのに・・・・・6時に帰る奴は仕事していない、と、毎日、横で大声でいわれるのは、本当に腹がたつ」
と、子供のある女性研究者がいってられるのを聞いたこともあります。この方は、准教授だったので、横にいたのは、きっと男性の助教だったのでしょう。その研究室では、この准教授が参加できるようにとセミナーを夕方から昼間に変更したところ、助教は ”昼間は実験で忙しいですから”と、いって、セミナーに出てこなくなったそうです。この結末は、容易に、予想できるでしょ。
この方の言葉も、時間管理という意味では、根本は同じだと思います。
私も結構、遅くまで、研究室にいますが、確かに、集中して仕事に臨めば、3時間くらいは早く帰れると思う。論文書いたりの集中作業は、土日にかためてやるというスタイルなので、休日は仕方ないかな、と、思っています。
”忙しくて、できない” を口に出す前に、自分の時間の使い方を見直さないといけない、最近思うことがたびたびあります。
仕事を中断させられる大きな要因として、
”今から、すぐに書類を作ってほしい”、”書類を見てほしい”、”何かを手伝ってほしい”、
と、いうのがあります。緊急事態ということは、研究でなくとも、色々ありますので、ある程度は致し方ないです。特に私のように相手先のある実務実習や模擬患者さんの対応などが必要な立場だと緊急事態は日常的にあります。また、私にとっては、研究だけでなく、教育も仕事の大きな部分ですから、学生からの要請には、何ごとも、すぐに対応するべきと考えています。
しかし、それ以外で、いわゆるプロとしてサラリーをもらっている方からの、無駄な緊急事態に対しては、”なんで、あと3日早く、いってくれなかったのかなあ”と、思わざるえないことも多いです。いっておいてくれたら、あの仕事を土日にやっておいたのにな・・と、いうこともあります。
私が最近、感じているのは、自分の時間を大切にできない人は、他人の時間も無駄にする、奪ってしまうことが多いということです。
そして、他人の時間を奪う人は、時間管理が上手な人から、疎まれるようになり、要領よく物事をできる能力を持つ人とは共同作業ができなくなります。さらに、時間を奪う人は、同様の時間の重要性を分かっていない人たち同士で何かをやっていくことになり、おたがいで時間を無駄に浪費していってしまう傾向があります。そこまでで、止まっていれば、自己責任ですみますが、たちが悪いのは、上のママさん女性研究者に対して言葉を吐きかけた人のように、時間管理をして、自分の生活スタイルを維持している他人を非難する人がいることです。
自分自身も時間の使い方を意識しようと思うこのごろです。
仕事もだけど、色々、やらねばならないことが、人生にはいっぱいあります。
普通に、車から、こんな山が見える富山って、すごいと思います。